まいまい句会選句結果 12月
今回のトップは4点句、
啼きかはす丹頂白き息ふたつ さら紗
「丹頂」も「白き息」も季語ですが、季重なりはそんなに気になりません。出来過ぎていてそれがむしろ嘘っぽく感じられます。
かいつぶり見てゐて話聞きもらす 文夫
何の話を聞き洩らしたのか、恋の告白なら大変です。面白い一句。
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印象に残った句。
而して二勺の寝酒虎落笛 いつせ
「而して」はそんなわけでくらいの意味、そんなわけがどんなわけか、大方想像がつくゆえに「而して」が面白い。
富士山の裾跨きゆく神の旅 真紀子
「裾」がトリビアリズム。「富士山を一跨ぎして」くらいでいい。
人よけることうまくなり酉の市 真紀子
「うまくなり」が説明。「人よけてまた人よけて酉の市」。現在進行形で詠むと説明から抜けられます。
(m)