まいまい句会感想
夏場所や行司素軽し白き足袋 いけさん
全部言ってしまったので、行司の姿の説明で終わってしまいました。
形よき茄子の一つを牛にしぬ いつせ
しっかりと出来ていて頂いた句ですが、似ている句があるかも知れません。
水色は母恋うる色盆の月 くに
「水色は母恋うる色」が抽象的です。他の色に置き換えてみると解ると思いますが、母恋う色が白でも赤でも決め手になりません。
散りてなほ色鮮らけし凌霄花 しんい
良く見ているのはわかりますが、ちょっと当たり前ではないでしょうか。
蛍火を点しとされよ渡り川 しんい
点が入っていますが、よく意味がわりませんでした。
子が先かハトが先かと夏の朝 のほほん
この句も意味がよく理解できませんでした。
蜘蛛歩くその存在を示しつつ 舘 昌人
ただ蜘蛛が歩いているのに、存在を示すと言ったのでは面白くありません。また、蜘蛛は歩いてもその存在を感じるものでもないと思います。例えば「女郎蜘蛛ににらまれてゐる暑さかな」とか蜘蛛の存在をぐっと感じさせるように作ったほうが良いのではないでしょうか。
ペダル漕ぐ朝の遠出に夏鶯 朝男
俳句は普通の文章にしてみて、意味が通じることが大切ですが、そのままでは俳句を作る意味がありません。この句はよく解るのですが、俳句の骨格に添って作り返るようにしてみて下さい。例えばこのままでしたら、「老鶯や遠出をせんとペダル漕ぐ」とか工夫する事が大切です。
君帰る道にかたぶけ萩の花 梅花
頂いた句ですが、「散り敷け」も考えられます。
傘干すや梅雨の晴間の門の外 青村
俳句の形にはなっていますが、梅雨の晴れ間の風景の一コマで終わってしまいました。梅雨の晴れ間に傘が干してある。つまり只事で読み手には感動が伝わりません。傘と梅雨はつきものなので俳句にするは余程、斬新な言い回しとか、発見がないと良い句にはなりにくいと思います。「家中の傘干してある梅雨の晴れ」これが良いわけではありませんが、作句の時何に感動したのか何を伝えたいのか(俳意)をしっかりと持って作る事を心掛けるといと思います。
公園の檻の羆の暑さかな 孝雄
羆の檻の暑さだけで、公園は不要ではないでしょうか。前にも書きましたが、場所のを言うのは本当にそれが必要な時です。この場合、動物園でも遊園地でもかまいません。「羆の檻の暑さかな」ここに焦点を当てて作句する事を考えてみてはどうでしょう。五文字不足いるなら、そこでいろいろ考えるのが俳句の楽しさよろしさで作句の面白さはここにあります。
向日葵や濡らせば青き納屋の屋根 よしこ
「濡らせば青き納屋の屋根」読み手はここが全くわかりません。自分だけ解って作句してもどういう事か相手に理解してもらわなければ、独りよがりの世界で終わってしまします。
参加者似の案山子ばかりや風渡る よしこ
この句は推測するに、案山子を作るコンテストがあって作られた案山子が製作者に似ていると言う事を言ったのだと思いますが、推測しなければわからないような句はよい俳句とは言えません。一読してすっと解る俳句を作るように心がけて下さい。また、「開花
する稲の気色に嵌まりけり」こちらは意味がとてもよく解るのですが、「嵌まりけり」を「溺れけり」「惑わされ」など他の言葉に置き換えても面白みがありません。稲の開花に感動したなら、気色などと言わずにもっと素直に表現すべきではないでしょうか。
文豪の眺めし庭や蝉時雨 ひろし
ひろしさんの句は全部3句とも出来ていてそれなりののですが、今一つパンチに欠けるところがあります。この句も文豪などとせず
例えば漱石とか鴎外とか焦点を絞ってみてはいかがでしょう。良い俳句をたくさん読んで勉強してみて下さい。
五分ほど子ら大人しき西瓜かな ひとみ
西瓜を切る時子供達が静かになったと言うことでしょうが、少し意味が解りにくいとおもいます。五分ほどなどと説明の言葉は不要です。(立)
