妹のこと④_言霊
妹の通夜の席で若い僧侶が説法をした。まだ、三十代も前半だろう。
事前に家族から仕入れた故人のパーソナリティをすらすらと紹介してあとは遺されたものを励ますという、門切り型の説法だった。
阪神大震災の時、女の子をなくした僧侶がいた。その人は罹災した檀家さんの通夜で仏様の御許に行かれたのだから、と心の安心(あんじん)を家族に説き、あまり力を落とさないよう元気づけ寺に戻った。家(寺)には幼い我が子の遺影が飾られ白木の位牌も生々しい。涙する父の姿を見て、亡くなった女の子のお姉ちゃんが言ったそうだ。「○○チャンは仏さまの所に行かれたのになぜ、お父さんはそんなに泣くの」と。人の苦しみや悲しみを本当に理解すれば、自分の言葉で語って欲しい、そう思うのが人情だろう。例え拙くてもいい、言葉には命が宿るのだから。(立)
