作句あれこれ⑤ とにかく作る。
俳句がほかの文芸とくらべて参加しやすい文芸であることは、俳句人口が他のジャンルとくらべて圧倒的に多いことでも分かります。参加しやすい要因の一つに短さがあります。俳句の大切な約束事は有季(俳句に季語を入れること)と定型ですが、五七五の定型は合計してもわずか十七文字にしかなりません。はじめて俳句を作ろうという人でも、単語を三つ四つ並べて助詞で調べを整えれば何とか格好がつきます。
どんな習い事でもそうですが、入門を決めたら、まず、先輩の技を真似る、先輩の技を盗む、これが大切です。俳句も同様ですが、俳句がほかと違うのは、まずやってみろ、まず作ってみろ、そう言えることです。他の習い事では、「作るなんて十年早い」と叱られてしまいますが、俳句は「作ってみろ」が第一歩、その作った句が句会ではベテランの句に混じって評価もされるわけですから、とても習いやすい文芸といえます。俳句をやろうと決めたら、入門書を読む前にまず作る、これが大切です。(kinuta)