海へ出て川にまた入る葭雀 長谷川櫂 大呂俳句会 投稿日:2015年6月28日 作成者: dvx223272021年6月16日 葭雀(葭切)は五月ころ南方から日本に渡ってきて沼や河川の葦原に巣を作る。頭羽を髪の毛のように逆さ立て、真っ赤な口を大きく開けてギョッギョッとかなりやかましく鳴く。さえずりは朝夕が活発だが、日が暮れても鳴きつづける。わが家の近くを流れる下条川の葦原にも毎年やってくるが、声はすれどもなかなか姿を見ることができない。葦原深く隠れて鳴いているのだろう。句は「海へ出て川にまた入る」と葭切の活発な動きを描写する。平易な表現が葭切の本質をとらえている。(m)