
花の終りを「崩れる」と表現されるのは牡丹や薔薇、紫陽花くらいのもの。花の嵩が他の花々とは比べ物にならないほど豊かであるがゆえの「崩れ」である。牡丹の花を讃える「崩れ」といってもいいだろう。(m)
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いたづらに牡丹の花の崩れけり 正岡子規
かはたれの雨に崩るる牡丹見し 青木重行
くづほるる寸前のこれ白牡丹 安住敦
月の暈牡丹くづるゝ夜なりけり 石井露月
牡丹七日いまだ全容くづさざる 細見綾子
白牡丹くづる仏の立たす闇 野澤節子
白牡丹くづれんとする湯のたぎり 中川宋淵
くづるるもまた面白き牡丹かな 北側松太