初雁のよべ渡りしと越の人 長谷川櫂
「昨日の夜、今年初めての雁が渡ってきましたよ」と作者に教えているのは越後の人。感動の焦点は、「初雁の飛来」よりもそうしたことに心を寄せている越後の人の暮らしぶりにある。朝の挨拶がわりのさりげない言葉だったのだろうが、それが作者の心に響いたのは、作者の生活が雁の飛来などとはまったく無縁なところで営まれているからであろう。都会生活では、見ることも聞くこともかなわない雁の飛来である。越の人に心を添わせた一句である。(m)
「昨日の夜、今年初めての雁が渡ってきましたよ」と作者に教えているのは越後の人。感動の焦点は、「初雁の飛来」よりもそうしたことに心を寄せている越後の人の暮らしぶりにある。朝の挨拶がわりのさりげない言葉だったのだろうが、それが作者の心に響いたのは、作者の生活が雁の飛来などとはまったく無縁なところで営まれているからであろう。都会生活では、見ることも聞くこともかなわない雁の飛来である。越の人に心を添わせた一句である。(m)