今日の季語_木下闇
【鑑賞】
下闇に遊べる蝶の久しさよ 松本たかし
「久しさよ」は、思いのほか長い時間蝶が飛んでいる、ということか。蝶に親しみを抱いている「久しさよ」でもある。
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木の下闇、下闇、青葉闇、木の晩、小暮
【関連季語】
緑陰
【解説】
太陽の下、木立のつくる暗闇のこと。この季語で大切なことは強い日差しがあるということ。
【分類】
三夏・植物
【例句】
須磨寺や吹かぬ笛きく木下闇 | 芭蕉 |
堂守りが茶菓子売也木下闇 | 一茶 |
下闇に池せまからず広からず | 阿波野青畝 |
崖に沿う下闇こそは円覚寺 | 加藤楸邨 |
下闇に遊べる蝶の久しさよ | 松本たかし |
下闇を出でゝあかるし渡月橋 | 正岡子規 |
木下闇あらら涼しや恐ろしや | 正岡子規 |
我を見て嘶く馬や木下闇 | 高浜虚子 |
木々の根の左右より迫る木下闇 | 高浜虚子 |
枝伐つてすき間明りや木下闇 | 西山泊雲 |
小鏡をとりおとしてや木下闇 | 石橋秀野 |
人の居て葛の葉ゆれぬ木下闇 | 前田普羅 |
ほろ~と蝶こぼれ来る木下闇 | 富安風生 |
少年のわれと行き会ふ木下闇 | 平井照敏 |