今日の季語_茅の輪
昨日は名越の祓、旧暦の6月30日に行われる厄除けの儀式ですが、最近では新暦の6月30日に行われることが多いようです。
動画は、近くの新潟護国神社の茅の輪くぐりの様子です。茅の輪をくぐることで厄をはらい無病息災を願います。
茅の輪は左右左と三回くぐります。くぐるたびに神官が唱える言葉、一回目は「みな月のなごしの祓いする人は千歳の命のぶるといふなり」という和泉式部の歌、二回目は「思ふことみなつきねとて麻のはをきりにきりても祓へつるかな」悩み事はみな尽きてしまえ、厄払いに効果のある麻の葉を切りに切ってお祓いします、ということ。、三回目は「蘇民将来(そみんしょうらい)、蘇民将来」というおまじないの言葉、蘇民将来は、京都八坂神社の祭神スサノオノミコトに旅の宿を貸し、その礼に疫病退散のご利益をいただいた人物で、そのご利益にあやかろうというおまじないの言葉です。
子をつれて茅の輪を潜る夫婦かな | 大江丸 |
白雲や茅の輪くぐりし人の上 | 乙二 |
茅の輪結ふはじめの縄を廻しけり | 綾部仁喜 |
くぐりつつ乾坤青き茅の輪かな | 井沢正江 |
星出でていよよ茅の輪の匂ふかに | 永井龍男 |
鳶が笛吹いてゐたりし茅の輪かな | 岸田稚魚 |
茅の輪くぐり楢の小川の橋渡る | 岸風三楼 |
六十が不思議でならぬ茅の輪かな | 細川加賀 |
人妻の茅の輪を抜けて戻りけり | 松瀬青々 |
一円に一引く注連の茅の輪かな | 松本たかし |
本殿を閉ぢ月のある茅の輪かな | 深見けん二 |
一人強し夜の茅の輪をくぐるわれ | 杉田久女 |
茅の輪くぐり星降る夜空詣でけり | 星野立子 |
急ぎ来て茅の輪をくぐる指の反り | 川崎展宏 |
みづうみへゆらりと抜けし茅の輪かな | 大石悦子 |
天地の力もて結ひ茅の輪かな | 長谷川櫂 |
やすらかに人とほしたる茅の輪かな | 長谷川櫂 |
ためらはず雨の茅の輪をくぐりけり | 片山由美子 |
人影のなき境内の茅の輪かな | 片山由美子 |
月入れて全き円の大茅の輪 | 有馬朗人 |
人たえて一圓立てる茅の輪かな | 松本たかし |
よき風とともに茅の輪をくぐりけり | 神蛇広 |
空間をゆがませてゐる茅の輪かな | 飛岡光枝 |
吹き降りの青き茅の輪をくぐりけり | 飛岡光枝 |
眠る子を抱きてくぐる茅の輪かな | 近藤沙羅 |
青竹を添へてわがねし茅の輪かな | 岩井善子 |
大茅の輪ほどけてそよぐ一葉かな | 北側松太 |