燈明に離れて坐る朧かな 斎藤梅子
朧という季語は幻想的である。世俗的なものをすっぽり包み込んでしまうことで黄泉の国がまるですぐそこにあるような錯覚を与えてくれる。句は、朧夜の燈明に離れて坐るという。明りから離れたところの薄暗がり、善男善女をつつみこむ朧が、みほとけの慈悲のようでもある。『藍甕』(kinuta)
朧という季語は幻想的である。世俗的なものをすっぽり包み込んでしまうことで黄泉の国がまるですぐそこにあるような錯覚を与えてくれる。句は、朧夜の燈明に離れて坐るという。明りから離れたところの薄暗がり、善男善女をつつみこむ朧が、みほとけの慈悲のようでもある。『藍甕』(kinuta)