今回選句を怠った人は1人です。
今回のトップは5点句でした。3句あります。
啓蟄や磨きあげたる靴並べ 秀昭
こころなしか浮き浮きとした気分。
着ぶくれて君が来るまで読む乱歩 森本哲雄
こちらは「着ぶくれ」という季語が生かされていない。
切株に一枚脱いで春田打つ 松太
(m)
今回選句を怠った人は1人です。
今回のトップは5点句でした。3句あります。
啓蟄や磨きあげたる靴並べ 秀昭
こころなしか浮き浮きとした気分。
着ぶくれて君が来るまで読む乱歩 森本哲雄
こちらは「着ぶくれ」という季語が生かされていない。
切株に一枚脱いで春田打つ 松太
(m)
今回選句を怠った人は3人です。
今回のトップは8点句でした。
その中に音を閉じ込め滝凍る 雅宏
「音を閉ぢ込め」がやや平凡、「その中の音もろともに滝凍る」
気になった句
自販機のお茶に温もる霜降る夜 凡士
季語は納得ゆくまで探し出すもの、「霜降る夜」ではいい加減。
自販機のお茶に温もり寒詣
自販機のお茶に温もり焼芋屋
いくらでもいい季語がありそうですが。
人間て不思議だねえと冬の星 杳杳
これも季語に執着がない。「人間て不思議だねえと海鼠かな」
季語をどう取り合わせるのか、ここを踏まないと俳句は屹立しません。
(m)
今回選句を怠った人は2人です。
今回のトップは7点句でした。
冥土への旅のみちくさ日向ぼこ 松太
気になった句
水仙や犬吠の海やや荒るる 杳杳
「やや荒るる」などと中途半端な描写はさけたいもの。
焼芋屋来て核などは持たぬ国 百合
「核など」の「など」が句を弛緩させます。「核兵器持たぬ国」で充分。
(m)
今回選句を怠った人は1人です。
今回のトップは8点句でした。
微笑みも大事な介護秋桜 宮内和彦
「微笑みは」がいい。女性の句ではなく男性の句でした。
気になった句
この国に憂きこと多し三島の忌 雅宏
「憂国忌」にかけているのでしょうが、あまりにも見え見え。
恋以外病は知らず実むらさき 文夫
季語が「実むらさき」では諧謔味が生まれません。生活感のある季語を。「玉子酒」とか「湯ざめ」とか「すつぽん鍋」とか。
(m)
今回選句を怠った人は1人です。
今回のトップは7点句でした。2句。
国訛り混ぜて炉ばたのとろろ汁 暦文
唾液が飛びはしないかと気になります。
わが畑の物もて祀る今日の月 りつ
「もので祀るや」がいいのでは?
気になった句
秋の蜂閉ぢ込めてゐる琥珀かな 丁
松やにのかたまりでしょうか。秋の蜂がからめとられているようです。
(m)
今回選句を怠った人は1人です。
今回のトップは7点句でした。
葛刈つて石の仏のあらはるる 松太
月光に両手広げて案山子かな りつ
気になった句
夜学教室機械油のほのとして いつせ
昼間は働いている夜学生、作業着のまま登校してきたのかもしれません。
ざらざらの母の手のひら秋夕焼 さび猫
なんで「秋夕焼」なのか?たまたま夕焼けがきれいだったのかもしれませんが、そこに「秋夕焼」があるからと言って正直に詠んでは俳句はつまらない。「ざらざらの母の手のひら」これを活かす季語はないのか、そこからが推敲の始まりです。ここを苦労しなくては俳句は停滞したまま。ご一考を。「ざらざらの母の手むかごこぼれけり」
(m)
今回選句を怠った人は5人です。
ばふきさん、ひろしさん、正美さん、あけみさん、暦文さん
この五人の方は次回から句会の参加はご遠慮ください。事情があって選句できなかった方はお問い合せから理由をおしらせください。
今回のトップは6点句でした。
節くれの指で鶴折る原爆忌 文夫
つき過ぎのようですが、原爆忌でないと句が成立しないのかもしれません。
気になった句
二十年同じ自転車夏を漕ぐ 照代
「夏を漕ぐ」がちょっと変わった季語の使い方、古いけど愛着のある自転車です。
生身魂何もろうても仏壇へ ひとみ
諧謔味のある一句、「生身魂」という季語をうまく生かしています。
(m)
今回のトップは6点句でした。
深々と山に一礼瀧行者 松太
滝行は季節に関係なく真冬でも行われますが、歳時記では一応夏の季語となっています。
気になった句
地下足袋を投げ出し鳶の三尺寝 雅宏
「鳶の」がないほうがずっといい。この「鳶」をどう取るのか。「その辺に地下足袋放り三尺寝」
跳ね橋の跳ねて夏空ひらきけり 丁
夏空が開くには、夏空が何かに隠されていなければなりません。「跳ね橋」は夏空を覆い隠すのは無理、したがって跳ね橋が夏空を開くというのは不自然な描写。
(m)
今回のトップは6点句でした。
麦秋や風に乗りくる貨車の音 すずめ
広々とした気持ちのいい一句。形のいい俳句ですが、やや大人しい。
気になった句
やまびこのたちまち戻る夏野かな 丁
勢いのある一句、類想があるのかもしれません。
翡翠や釣師はゆつくり握り飯 森本哲雄
「ゆつくり握り飯」とここで終わってはだめ。「翡翠や釣師はゆつくり握り飯を食ふ」としっかり言い切る必要があります。それでは字余り、ということであれば、他の部分を切り捨てる必要があります。「食ふ」という動詞を捨ててはいけない。「翡翠や釣師おにぎり食ひながら」「ゆつくりと握り飯食ひ山女釣る」≪言い捨て厳禁≫
(m)
今回のトップは6点句でした。
さつくりと天地返さん豆ご飯 以と
おいしそうな豆飯でした。炊き立てであることが分かります。
気になった句
かわせびの色のつぶてとなりて飛び 諸子
普通に「かはせみ」でいい。「飛び」が不要な言葉。
幾たびも貨車の音とほる木下闇 丁
「貨車の音とほる」はおかしな描写、普通なら「貨車の音くる」。
(m)