まいまい句会一月感想②
初髪や社殿新たに水天宮 妻有
「社殿新たに水天宮」がきっちりとしているので、もう少し柔らかさを感じさせる季語をもって来た方が良いと思います。
睦まじく庭に年始の雀かな 雅宏
とても気持ちの籠った句ですが、「年始の雀は」少し自分に引き付けすぎた言い方に思えます。例えば「降り立ちて仲睦まじや初雀」など気持ちは込めて表現は控え目にした方が読み手の共感を得ると思います。
歯を磨くうちに変れり去年今年 雅宏
点の入っている句ですが、報告の感じだけで終わっているようです。
恵方へと旅のプランを変へにけり 雅宏
この句も読んだ方は「ああそうですか」で終わってしまいます。
創傷に旧年感ずる初湯かな 一穂
「創傷に昔を思ふ初湯かな」旧年感ずるが少し重い感じがします。
介護車の祖母と寂たる除夜の径 一穂
季語は多くの人が思う事や感じる事ががもう含まれいると思って下さい。例えば「向日葵」でしたら明るい、強い、青空、おおらか、など。向日葵の句の中にこのような言葉が入っていたら、それは季語をさらに説明している事になってしまいます。そうすると除夜の中にはもう寂たる思いが入っているのにお気づきになると思います。ここは「介護車の祖母と帰るや除夜の鐘」くらいでいいのではないでしょうか。
早天の老顔赤き雪下し 一穂
「老いの頬あかかかと染め雪下ろし」焦点を絞って言ったほうが、景が見えてきます。
首傾ぐ円空仏や淑氣満つ ほしくづ
点が入っているのですが首傾ぐが淑気とそぐわない気がします。
廃屋の蜑小屋続き雪起し 葦たか
廃屋の蜑小屋続きが解りません。このまま句にするとすれば、「廃屋に続く蜑小屋雪起し」でしょうか。
醤油(むらさき)を弾く脂や能登の鰤 葦たか
寒鰤の旨さを説明した句になっているようです。食べ物の句はおいしそうに詠む事が大切で、美味しそうに詠めてはいるのですが細かく言い過ぎているようです。例えば「塩打ちし寒鰤の肌くもりけり」草間時彦 「寒鰤は虹一筋を身にかざる」山口青邨などのような言い方もあります。歳時記などご覧になって勉強なさって下さい。
