まいまい句会一月感想①
湯豆腐の頃合ひをみて出す話 いつせ
沢山点の入った句でした。「湯豆腐の」とありますが、このままだと頃合いをみて湯豆腐を出すのか話を切り出すのか解りにくいと思います。「湯豆腐や」と切れを入れるとすっきりすると思います。
湯船より微かに聞こゆ除夜の鐘 青村
言いたい事はよく伝わってくるのですが、このままだと除夜の鐘が湯船から聞こえてくるような言い回しです。湯船を「しまい湯や」と置いて切ると意味が通る句になります。「しまい湯や微かに聞こゆ除夜の鐘」さらに除夜の鐘とあるので、聞こえるは不要です。
集配課鮭と箱とが生き別れ 青村
意味が解りにくくこのままでは意味不明です。
月と星絵はがきのごと二日の夕 朝男
「二日の夕」と言う詰まった言い方は直したいところです。また、「絵はがきのごと」とありますが、月と星だけの絵はがきは余り見かけないのでは?言いたいことは暮れて行く空に、月と金星が接近した姿だったと思うのですが。それがたまたまお正月の二日だったので、季語を二日と置いたように思えます。つまり季語が全く効いていません。そんな時はご自分の気持ちを優先させて、月と星の姿だけを句にしたほうが良いと思います。
連れ合いとふらっと街へ二日かな 朝男
もう少し具体的に言った方が句の焦点が定まると思います。「買い物の妻に付き合ふ二日かな」
銀閣を明るく染めて雪女 梅花
点数の入った句ですが、意味がわかりませんでした。
柚子湯して顔や手足に転がして のほほん
このままを句にするなら「手や足に柚子転がして柚子湯かな」「柚子湯して」と「転がして」がうるさいのですっきりと詠む工夫を。
霜焼がタイムアウトとシンクロし ばふき
何か特殊な事を言いたかったのでしょうか、意味が解りませんでした。
裸木や隠し事などできぬ質 政己
整った俳句ですが、裸木が隠し事のできない性格と近すぎるようです。もう少し離れた季語を持ってきた方が良いと思います。
政己さんの句は三句とも良くできているのですが、もう一歩踏み込むともっと良い句になると思います。例えば「寒桜来ては去りゆく薄き雲」季語を変えて「枯芒」としても付きますし、「ななかまど」などとしても、高原の雰囲気が出てきます。これは「来ては去りゆく薄き雲」が只事だからです。俳句の形は出来ていますので、今度は気持ちを込めること。つまり何に感動して俳句にしたのか、俳意を意識して作られるともっと良くなると思います。ご自身で推敲を重ね一句を作品に高める工夫をなさって下さい。
