使ってみたい季語9 盂蘭盆会

八月十三日にお墓参りをされた方も多いと思います。
盂蘭盆会とはインドの古い言葉「ウラバンナ」を訳したもので「逆さ吊りのくるしみ」を意味します。仏教の言い伝えではお釈迦さまの弟子である目連は、母親が「餓鬼道」に堕ちて苦しんでいるのを神通力でまのあたりにします。母親の苦しみを救うため、お釈迦さまの教えに従い、餓鬼に対し食べ物を施し多くの僧を招いて供養したのが施餓鬼の始りとされています。また、救われた母親を見て、目連と多くの僧たちが踊りあがって喜んだのが盆踊りの起源ともいわれていますが、定かではありません。 十三日は迎え火を焚くところもありますが、新潟ではこの日の夕刻提灯を持って墓参りをし、ご先祖さまを提灯の火で家までお連れします。家によってはお正月のお餅から始まって一年間の各季節の食べ物を用意してお供えするところもあります。地方によって違いがありますが、ご先祖様は十五日か十六日に送り火を焚いてお送りします。
我々の生活に密着した「盂蘭盆会」のような季語には俳句を詠むための切り口も多く、傍題もたくさんあります。墓参り、墓洗ふ、施餓鬼寺、魂棚、施餓鬼棚、お供えの茄子の馬、茄子の牛、盆花、草の市、迎火、などなど。また俳句をしていないと聞きなれないかもしれませんが、生御魂なども味わい深い季語といえます。
盆ごころ夕がほ汁に定まれり 曉台
送り火や母が心に幾仏 虚子
流燈や一つにはかにさかのぼる 蛇笏
門火焚き終へたる闇にまだ立てる 立子
(立)
