今日の季語_時鳥

【鑑賞】
京にても京なつかしやほとゝぎす 芭蕉
京都にいて京がなつかしいという。それほど愛着があるということ。時鳥の鳴声にも格別の趣があるのだろう。新緑が美しい京である。(松)
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初時鳥、山時鳥、名乗る時鳥、待つ時鳥、田長鳥、沓手鳥、妹背鳥、卯月鳥、杜鵑、杜宇杜魂、子規、不如帰
【解説】
五月ころに南方から日本に渡ってくる鳥。キョッキョッキョキョという鳴き声が「特許許可局」や「テッペンカケタカ」などと聞こえる。
【分類】
三夏・動物
【例句】
| 野を横に馬引むけよほとゝぎす | 芭蕉 |
| ほとゝぎす消行方や島一ツ | 芭蕉 |
| 京にても京なつかしやほとゝぎす | 芭蕉 |
| ほとゝぎす大竹藪をもる月夜 | 芭蕉 |
| ほとゝぎすきのふ一聲けふ三聲 | 去来 |
| 時鳥啼や湖水のさゝ濁り | 丈草 |
| 弓取は弓持てきくほとゝぎす | 白雄 |
| おもひもの人にくれし夜杜鵑 | 太祇 |
| 山吹も散らで貴布祢の子規 | 維駒 |
| 岩倉の狂女恋せよほとゝぎす | 蕪村 |
| 江戸入りの一ばん声やほととぎす | 一茶 |
| 空高く山やや青しほととぎす | 幸田露伴 |
| 聞かふとて誰も待たぬに時鳥 | 夏目漱石 |
| 鳴くならば満月に鳴けほととぎす | 夏目漱石 |
| 父の荷は忘れてきたか時鳥 | 宇多喜代子 |
| 時鳥日蝕の天傾きて | 加藤楸邨 |
| あともなき三千坊や時鳥 | 会津八一 |
| 仔馬にも少し荷をつけ時鳥 | 橋本鶏二 |
| ほととぎす寂寥のその底知れず | 黒田杏子 |
| ほととぎす本尊一本造りにて | 山本洋子 |
| 時鳥二聲半で過ぎにけり | 松瀬青々 |
| 祀りある古き湯釜や時鳥 | 松本たかし |
| 時鳥野に甘藍の渦みだれ | 水原秋櫻子 |
| 時鳥きく御僧と並び立ち | 星野立子 |
| ほととぎす鳴く毎誰か何か言ふ | 星野立子 |
| 大空は四隅もなくて時鳥 | 正岡子規 |
| 遠く引く浪のいとまや時鳥 | 増田龍雨 |
| ほととぎす巻紙の文貰ふかな | 村越化石 |
| ほととぎす仔牛に大き耳二つ | 渡邊千枝子 |
| 時鳥鳴くや魂持つ山の樹々 | 野村喜舟 |
| ほととぎす髪まだ黒き峠越え | 野澤節子 |
| ほととぎす足袋ぬぎ捨てし青畳 | 鈴木真砂女 |
| をとこにも伏目ありけり時鳥 | 鷲谷七菜子 |
| 谺して山ほととぎすほしいまゝ | 杉田久女 |
| あをあをと草の若狭やほととぎす | 長谷川櫂 |
