もどき

先日調理をしていて、パン粉をきらしているのに気がついた。小麦粉 溶き玉子と手順はすすみこれから買いに走るのは面倒だ。子供でもいれば使いにたのむのだが、生憎いない。冷凍していたパンを下し金でガリガリと擂り下ろし事なきを得た。普段のものよりしっとりとして、フライの衣も柔らかい気がする。考えてみればパン粉の代用は他にもありそうだ。凍豆腐なども下ろして使えそうだ。代用と言えば聞こえが悪いが、がんもどきなどは、もどきという以上、雁の肉の代わりとして作られたものだろう。精進料理では鰻の蒲焼だって豆腐や蓮根などを使いそれらしく作る。この工夫が精進料理という一つの分野を確立してきた。小麦粉のグルテンから肉もどきまで作り上げるのだから、いつの世も食い意地が張っている人間はいるものらしい。それにしても、昔の出家者は修行をしながら、それまでして肉や魚を食べたかったのかと思うと、なんだかいじらしい。(立)
