まいまい句会感想②
いつだって隅に座るの野紺菊 梅花
野紺菊がいつも隅にあるということですか。この言い回しだと曖昧、意味が解りません。境涯を詠んでいるのなら「人生の隅つこが好き野紺菊」くらいでしょうか。
秋雨に節幽かなる民謡碑 一穂
民謡の碑に刻まれた節が幽かに見えるということでしょうか。捉えたところが細かすぎます。
林檎もぐラジオの囃子身にのりて 一穂
「ラジオの囃子」が言い足りていないようです。
天高しクレーンの腕は延びに延び 雅宏
「延びに延び」などと言わずに「秋天を突き抜けて」ぐらいオーバーに捉えることも大切です。
虫の音や勤めに通ふ路地の草 朝男
「路地の草」の草が余計です。二文字不足したので草と入れたようで、もしそうでしたら草をとるべく推敲されるべきです。
奥里の校舎への道柿景色 朝男
見たままを写生して句になさっていますが俳句は焦点を絞る事が大切です。柿景色などとすると句がぼやけてしまいます。「柿たわわ」と柿に焦点を絞る工夫をしてみて下さい。
(立)