梨棚をこぼるる秋の日差しかな 岩井善子 大呂俳句会 投稿日:2015年10月7日 作成者: dvx223272015年10月7日 林檎や柿、葡萄、桃など果樹を収穫する木は、縦の成長を抑えこむようにして育てられる。手を伸ばせば、簡単に収穫できる高さを維持するためである。なかでも梨の木は、せいぜい人の背丈よりも五十センチくらい高い位置に抑えこまれ、その枝は横に広がるように針金で固定される。そんなわけで葉の繁った梨棚の下はけっこう暗い。句の秋の日差し、梨棚をこぼれて地面のひとところを照らし出す。明るいながらも、どこか寂しい秋の日差しである。(m)