吟行 名越の祓い
昨日六月三十日は名越の祓いの日、越後一宮と言われる弥彦神社に行ってきました。
本殿の前には茅と竹で作られた美しい茅の輪が設えられています。この茅の輪くぐることで、家内安全、疫病退散が叶うと言われます。
青竹を添へてわがねし茅の輪かな 岩井善子
午後三時、神社に仕える巫女と禰宜が整然と列を成して境内に出てきました。みんなで二十人くらいになります。女の巫女が履いているのは草履ですが、男の禰宜は古式ゆかしい木靴でちょっと歩きにくそうでした。
いよいよ、名越の祓いの始まりです。神社に集った氏子や参拝客に厄除けの白い紙包みが配られます。なかに入っているのは和紙と麻屑のようなもの、禰宜の一人が榊を大きく振ってお祓いをするとそれに合わせて、和紙と麻屑を自分の体にふりかけて一年の穢れをきよめるのです。そのあと、長々とのりとがあげられ、最後に、禰宜の一人を先頭に、私たち参拝客も茅の輪をくぐりました。総勢五百人以上の壮大な茅の輪くぐりでした。(m)
では、吟行句をいくつか、
さはさはと風にそよげる茅の輪かな
結界の竹青々と大祓
奉納の酒樽並ぶ大祓
美しき杉に囲まれ夏祓
雨粒の輝いてゐる茅の輪かな
五百人連なりゆける茅の輪かな