まいまい句会6月感想
代掻くや野面に空を張りつけて いけさん
代掻は「田植の前に鋤き起こした田に水を入れ、田の底を掻きならし、肥料を土中に混ぜる仕事をいう。昔は牛や馬に代掻を曳かせて行ったが、今は機械で行う」とありますが、「野面に空を張りつけて」の表現が少し気になるところです。
東山載せて日傘の行きにけり いつせ
点数の入っている句なのですが、どう言う事なのか解りにくいと思います。
金魚買うなぜか嬉しい日曜日 くに
ここはなぜ嬉しいのかはっきりと言った方が良いでしょう。
縁台や夕風うけて生ビール しんい
俳句は読み手に意味が解るように作るのも大切ですが、読み手に何か感じてもうらう事も大切な要素です。この句の場合意味はとても良くわかりますが、今一つ作者が何を感じて何を伝えようとしているのか、(俳意)が見えないのが残念です。
水の輪のいくつも重ね青時雨 のほほん
青梅雨と言う季語はあるのですが、青時雨と言う季語があるのでしょうか。時雨は冬の季語になるので、青時雨はいつの季節になるのでしょう。季語に手をいれたり勝手に作ったりするのは避けたいものです。
焼きたてのパンを涼しく買ひにけり ひとみ
焼きたてのパンはまだ暖かく、香ばしいものですが季語が十分に生かされていないのでは。
ただ一人鍬振るふ人麦の秋 ほしくづ
頂いた句なのですが、「一人」と「鍬ふるふ人」の人の重なりが気になりました。「一人出て鍬を振るふや麦の秋」ぐらいでどうでしょう。
植え替えの土に転がる蝸牛 まさと
まさとさんの句はどれも出来ていて意味もわかるのですが、何に感動して作句されたのか(俳意)が見えてきません。
この句もどんな蝸牛だったのか、蝸牛がでてきてどう思ったのかを句にするともっと良い句になると思います。
時の日や老舗旅館の古時計 みちこ
季語と古時計が付きすぎのようです。もっと季語を離すと良い句になると思います。
薫風やバラハタマフシ輝けり よしこ
「バラハタマフシ」ネットで調べ解りましたが、俳句を作る時はあまり特殊なを言うのは避けた方が良いと思います。
麦は穂に一列にゆくランドセル 孝雄
ここは季語を「麦秋や」と置いたほうが景が立ってくるのではないでしょうか
尺取虫オメガオメガと進みたり 春生
俳句の場合尺取虫は尺取で十分意味が通じると思います。「尺取の」としてリズムを整えたほうが良いのでは。
網戸して鳥の囀り近づけり 青村
網戸は夏の季語 囀りは春の季語です。今はどの家も一年中網戸をたてていますが、この句の場合戸を開けて網戸にしたので囀りが近くに聞こえたのでしょうか。それでしたら、素直に戸を(窓を)開けてと言ったほうが良いのでは。
放射する燕の子等の育ちかな 朝男
「放射する燕の子」の意味が解りません。
立葵一途な人のよかりけり 梅花
頂いた句です。立葵と一途な人の姿が重なってすっきりとした感じはあるのですが、「よかりけり」を工夫なさるともっと良い句になると思います。
(立)
