寒禽の嘴をひらきて声のなき 長谷川櫂
寒は「寒中」禽は「鳥」、いま時分の鳥が「寒禽」である。「声のなき」と否定形で捉えたからには大きな声をあげる鳥でなければならない。なおかつ、この否定形は不気味さをかもしだす。この鳥は鴉とみていい。なぜ「寒鴉嘴をひらきて声のなき」ではないのか。「カンガラス」ではなく「カンキン」という響きが重要なのだろう。「嘴(はし)をひらきて声のなき」というしじまに「カンキン」という音のない金属音が響く。(m)「季語 寒禽(冬)」

寒は「寒中」禽は「鳥」、いま時分の鳥が「寒禽」である。「声のなき」と否定形で捉えたからには大きな声をあげる鳥でなければならない。なおかつ、この否定形は不気味さをかもしだす。この鳥は鴉とみていい。なぜ「寒鴉嘴をひらきて声のなき」ではないのか。「カンガラス」ではなく「カンキン」という響きが重要なのだろう。「嘴(はし)をひらきて声のなき」というしじまに「カンキン」という音のない金属音が響く。(m)「季語 寒禽(冬)」