けさ秋の伊豆のみえたる机かな 長谷川櫂
昨日が今年の立秋の節入りの日、昨日だけが立秋というのではなく、昨日から約十五日間が立秋の期間ということになる。
立秋だからといってとたんに涼しくなるわけでもない。これからが日本の夏本番であるが、立秋と聞くと、心なしか朝の空気も爽やかに感じられるようである。
句は下五に「机かな」と置く。感動の焦点があたかも「机」にあるように詠まれているが、机と対比するように置かれた伊豆半島の風景が眼目である。「机」は立秋の澄み切った伊豆の風景を引き立てる役。切字「かな」は、三文字の季語に添えて使われることが多いのだが、引き立て役の「机」に切字「かな」を添えた趣向が新しい。『蓬莱』(kinuta)
