まいまい句会 感想
一斉に若柴蹴りし競走馬 ひろし
気持ちのよい句ですが、「蹴りし」よりも、「蹴つて」としたほうが勢いが出ませんか。
若柴は若芝ではないでしょうか。
暮ながし遅々と進まぬ瓦礫処理 くに
季語がないようです。「暮れながし」が、なかなか暮れないということでしょうか。もしそうなら「日永」という季語を使ったほうがよいと思います。また、取り合わせの句では十分に季語を吟味する事が大切です。遅遅と日永ですと、句が少しべたついてしまいます。例えば「囀りや」と置くとどうなるか、「春の星」と置いたらと、いろいろ考えてみて下さい。取り合わせの場合季語に意味をもたせたり、季語の意味に拠りかかったりするのは、良い方法ではありません。
空おぼろ薄くてにぶきブルーかな ばふき
空の色の説明で終ってしまったようです。朧と霞。春の大きな季語ですが用い方を間違えませんように。朧は夜、霞は昼です。「春は空気中に水蒸気が多いので、像がぼんやりと潤んで見える。その現象を昼は霞といい夜は朧という。」歳時記にはこのように記されています。
白鷺に蛙の旨き雨の中 ひとみ
ひとみさんの句はどれも出来ているのですが、今一歩踏み込むともっと良い句なるのではないでしょうか。これは歳時記にも載っている句ですが、星野立子に「いかなごが烏の嘴に生きてをり」という句があります。生き物の姿が生き生きと伝わってきませんか。
春愁の海の向こうに海がある 春生
句が漠然としているうえに、春愁という具体性にかける季語なので俳句全体の意味が解りにくくとらえどころの無いものになってしまったようです。
花の下犬乗つて行くベビーカー 悠
「花の下」の下が説明です。ベビーカー行くとあるので「下」は不要であることに気がつくことが大切です。「犬乗せたベビーカー行く桜かな」で十分花の下を行く感じは出ると思います。
うららかや一合で酔ふ昼の酒 いつせ
高得点をとられたいつせさんの句です。孕鹿の句よりもあっさりとして好感がもてます。一読してさっとその景色が浮かび駘蕩とした春の感じがよく出ていると思います。
辛口をコップに注ぎ桜鯛 ヤチ代
淡麗な日本酒のような味わいの句です。「初めての寝返りころり百千鳥 」は「ころり」が気になりました。「ころりと」と「と」を入れたほうがよいよに思います。
りつ
