まいまい句会感想③
観音堂閑かに古りぬ竹落葉 真紀子
出来ている句です。「閑かに古りぬ」が少し常套な言い方ではないでしょうか。語順を変えると「観音堂古りて閑かに竹落葉」
蟹出でて水かげ揺れるシャツの胸 風更紗
推測するに水陽炎が胸元に揺れているという句だと思うのですが、「蟹出でて」が特に解りにくくしています。
「白シャツの胸に水かげろふ揺るる」で良いのでは。「水かげろふ」を季語にしたくないのなら、「川蟹や水かげ揺るるシャツの胸」くらいでしょうか。
啄木の砂にも混じる桜貝 梅花
「啄木の砂」が少しむりのようです。「一握の砂に混じるや桜貝」くらいでしょうか。砂と桜貝がちょっと付きすぎか。
草笛吹く父母眠る山河へと 葦たか
「草笛吹く」を「草笛を父母眠る山河へと」としても通じると思います。
参道にあじさゐ続き千の傘 葦たか
只事ではないでしょうか。
(立)