湯疲れの妻の寝息もおぼろかな 杉本雄一 大呂俳句会 投稿日:2024年3月23日 作成者: dvx223272024年3月23日 妻の温かく湿った寝息がこの世をおぼろにしている。どことなくなまめかしい俳句である。(m)「季語 朧(春)」
夕空や日のあたりゐる凧ひとつ 高野素十 大呂俳句会 投稿日:2024年3月16日 作成者: dvx223272024年3月16日 高々と舞う凧に夕日が当たっている。それだけのことであるが印象鮮やかな一句である。上五、「夕空や」と強く切れを入れて「間」を生み出している。(m)「季語 凧(春)」
大丈夫づくめの話亀が鳴く 永井龍男 大呂俳句会 投稿日:2024年3月15日 作成者: dvx223272024年3月15日 この句の「大丈夫」なにやらうさんくさい。大丈夫、大丈夫と繰り返しながら、事態はとんでもないことになっているのかもしれない。(m)
まいまい句会 2月 大呂俳句会 投稿日:2024年2月24日 作成者: dvx223272024年3月24日 選句結果アップしました。 トップは8点句でした。 囀や村に一軒何でも屋 松太 選句しなかった人は2人、選句しなかった人の俳句の欄はすべて抹消しました。
光堂より一筋の雪解水 有馬朗人 大呂俳句会 投稿日:2024年2月23日 作成者: dvx223272024年2月23日 光堂は、藤原清衡によって立てられた中尊寺の金色堂。堂は金箔保護のため建屋の中に収められていて風情もないが、「光堂」という言葉の働きは一句の中で燦然と光り輝く。「雪解水」が日の光を浴びて金色に輝いているようだ。(m)「季語 雪解(春)」
病室の窓はカンバス山笑ふ 今井律子 大呂俳句会 投稿日:2024年2月22日 作成者: dvx223272024年2月22日 大きな窓一杯にある春の山。病人を励ますような「山笑ふ」である。(m)「季語 山笑ふ(春)」
ほとばしる水のほとりの蕗の薹 野村泊月 大呂俳句会 投稿日:2024年2月20日 作成者: dvx223272024年2月20日 雪解水がどっと流れている。その岸辺にほつほつ見える蕗の薹。(m)「季語 蕗の薹(春)」
濡れて来し雨をふるふや猫の妻 太祇 大呂俳句会 投稿日:2024年2月19日 作成者: dvx223272024年2月19日 猫の妻は、春、発情期を迎えた雌猫のこと。この時期、雄猫は雌 をもとめてぎゃあぎゃあと鳴き、人の安眠を妨げる。太祇の句の雌 猫、夜中に出かけて、明け方、雨の中を帰ってきた。体を震わせて 雨雫を払って、後は平然と眠りにつく。(m)「季語 猫の妻(春)」
淡雪や掌にのる程の小鳥塚 富安風生 大呂俳句会 投稿日:2024年2月14日 作成者: dvx223272024年2月14日 小鳥を埋葬して、目印に小さな石を置いたのだろう。春の淡雪に隠れてしまいそうな「小鳥塚」である。(m)「季語 淡雪(春)」