今回のトップは5点句でした。
風鈴の音に値がつく陶器市 川崎伸治
ちょっと理屈っぽいところが気になります。作者が選句していないのもダメ。選句できないなら句会に参加すべきではありません。
気になった句
うたた寝に水かげろふや夏柳 冬菊
「うたた寝」を生かす季語を。「うたた寝に水かげろふのたかむしろ」
故郷の熟れしトマトの匂いかな 智生
より強く言い切る。「故郷は熟れしトマトの匂いかな」
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今回のトップは5点句でした。
風鈴の音に値がつく陶器市 川崎伸治
ちょっと理屈っぽいところが気になります。作者が選句していないのもダメ。選句できないなら句会に参加すべきではありません。
気になった句
うたた寝に水かげろふや夏柳 冬菊
「うたた寝」を生かす季語を。「うたた寝に水かげろふのたかむしろ」
故郷の熟れしトマトの匂いかな 智生
より強く言い切る。「故郷は熟れしトマトの匂いかな」
(m)
今回のトップは4点句でした。
大阿蘇の空に突つ立ちラムネ飲む 百合
「空に突つ立ち」が豪快、そして壮大。「ラムネ飲む」を上五に置きたいところ、「ラムネ飲む大阿蘇の空に突つ立ちて」中八になりますがさして気になりません。
気になった句
野遊びの子に羽根生えてくる気配 いつせ
「気配」がまどろっこしい。「野遊や子どもに羽根生えてくる」
退官の夫の剥きゐる蕗の皮 以と
使役の俳句に、「退官の夫に剥かせて蕗の皮」
豆ごはん母の小言も炊き込めり 春生
「小言」が入っては不味そう。食べ物の句はおいしそうに詠むことが肝心です。
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今回のトップは3点句でした。点数が分散したようです。
ほんのりと畳の匂ふ朝寝かな 松太
青空に一人漕ぎ出づ半仙戯 りつ
色足袋の小鈴模様も花疲れ ひとみ
もののふのここに眠れる山桜 以と
水音を寄せて返して猫柳 以と
点が入ったからよい句とは限りません。「もののふのここに眠れる」はよく見かけるパターン。「水辺」と「猫柳」は付きすぎでしょうか。
気になった句
畦塗つて明日は通勤電車かな 森本哲雄
「通勤電車かな」が面白い。
石鹸玉色を回して空にあり ひとみ
「色を回して」は即物的な描写。「空にあり」が取れるといいのですが。
(m)
今回のトップは7点句でした。
よく動く赤子の手足吊し雛 さら紗
「よく動く赤子の手足」はよく見かけるパターンかもしれませんが、「吊し雛」との取り合わせがよかったのかもしれません。
気になった句
白い椿赤い椿に交わらず いつせ
碧梧桐のあまりにも有名な句があるので、これはだめ、本歌取りにもなっていません。
たこ焼きの手元くるりと春の風 文夫
まるで「春の風」がたこ焼きを回しているようです。楽しいい俳句。
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今回のトップは4点句、以下の二句でした。
その中に子どもも混じり寒念仏 加藤雅岳
春浅し鼻のすり減る撫で仏 ひろし
雅岳さんの句、小さな発見があります。ひろしさんの句、「春浅し」という季語がよく効いている、というところでしょうか。「鼻すり減つて撫で仏」がいい。雅岳さんは選句を忘れないように。
気になった句
嚏して涙うかべて笑はれて すし老人
「笑はれて」が言い過ぎです。一歩手前で言い止めるのも勇気のいること。「嚏して涙うかべてゐたりけり」
星一つ星また一つお涅槃会 百合
「お彼岸会」でも「精霊会」でも「蝋八会」でも、何でもよさそうなところが気がかりです。
(m)
今回のトップは3点句、
凧に書く龍の一字を筆始め 松太
気になった句
水に浮く髪ひとすぢや一葉忌 百合
いかにも「一葉忌」という俳句。思惑が見え見えというところでしょうか。
中央に東京ありて絵双六 森本哲雄
「真ん中に」がいい。
何人かの人が選句を怠りましたが、選句しないようなら句会に参加すべきではありません。これは基本中の基本。
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今回のトップは3点句、
しんがりは楽し冬日に背を押され さら紗
何の「しんがり」か、そこは省略できないところ。
暖炉の火崩れてバッハ最終楽章 さら紗
「崩れてバッハ最終章」でいいのでは?
風邪の神首筋あたりに来てゐたり 文夫
「首筋あたり」と助詞を省略した形が落ち着かない。「神」ですから尊敬語で「首筋のあたりにおはし風邪の神」
母にまだ小さな仕事冬の梅 ひとみ
「小さな仕事」は何、お茶を濁してはだめ。
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今回のトップは4点句、
金閣を篠突く雨や三島の忌 雅宏
4点入っていますが、「金閣寺」と「三島忌」では手品のネタがばればれ。
印象に残った句。
秋茄子や冗談交す嫁姑 森本哲雄
この句も、「秋茄子」と「嫁姑」では手品のネタがばればれ。
蓑虫が風を遊びて揺れどおし ひろし
「風を遊びて」はちょっと変わった描写です。選句を怠ってはだめ。
おづおづと松茸裂くや昼の酒 以と
「おづおづ」では情けない。「ざっくりと」くらいがいい。
焙煎の香の中にゐて秋惜しむ ひとみ
「中に」が冗長なので「焙煎の香にゐて秋を惜しみけり」
(m)
今回のトップは4点句、
湯疲れの母の眠れる良夜かな りつ
秋の夜や本を閉づれば雨の音 松太
川にもう海の匂ひや石叩 ひとみ
「川はもう」がいい。
印象に残った句。
豆腐にも絹や木綿や酔芙蓉 文夫
季語があっていないようです。「豆腐にも絹と木綿と秋の風」
松手入心に鋏響かせて 百合
「松のことは松に習え、竹のことは竹に習え」に通じる一句。
秋晴れて姿きはやか今日の富士 雅宏
「姿きはやか今日の富士」は遠景、これに近景を組み合わせてみるのも面白い。「鵙鳴いて姿きはやか今日の富士」
甲斐の夜の漆黒に生れ葡萄かな さら紗
「生れ」がよくない。普通に「甲斐の夜の漆黒にある葡萄かな」なら面白い。
(m)
今回のトップは3点句、
震災の海より届き新秋刀魚 雅宏
残されて風の中なり種ふくべ りつ
息よりも軽ろき風船かづらかな 松太
虫の夜の裁ち台遅くまで灯す ひとみ
印象に残った句。
蒼あおと海の静かな厄日かな いつせ
この静かな海の後に台風の来る予感、嵐の前の静かさです。
震災の海より届き新秋刀魚 雅宏
俳句の形なら「震災の海より届く秋刀魚かな」です。「新秋刀魚」の「新」の一字が効いているかどうか。
新豆腐皿の白とはちがふ白 文夫
言い方が丁寧すぎるようです。「器とは違ふ白さや新豆腐」
コスモスや日照雨(そばえ)に濡れず道祖神 百合
濡れたほうがいいのでは?「日照雨にぬれて道祖神」
虫の夜の裁ち台遅くまで灯す ひとみ
まだまだ推敲の余地がある俳句です。「虫の夜」の「夜」は邪魔。
(m)