一丁は約800メートル、1.6キロメートル村から離れて霞の村を見ている。(m)「季語 霞(春)」
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失せてゆく目刺のにがみ酒ふくむ 高浜虚子
許されし水狂奔す春の田を 相馬遷子
おのづから聞ゆるものに初音かな 長谷川櫂
「初鶯」という季語もあるが、こちらは新年の季語で、新年に鳴かせるように飼育する鶯。「初音」の鶯は立春過ぎの鶯のことである。「初音」のころの鳴声はいたって不器用で、五月のころの夏鶯の自在さはない。どちらかといえば音痴に近い鳴声であろうか。句の「おのづから」は、予期しないとき、予期しないところで耳にしたということ。「ああ、もう鶯の鳴く季節になったのか」という感慨が伝わってくる。(m)「季語 初音(春)」
おもはざる落花舞ひゆく淵の上 水原秋桜子
ひよいひよいと子らの手逃れ初蛙 今井律子
ほのじめりせり草餅を食べたる手 有働亨
湯気を上げている搗き立ての草もちである。ほんのり湿った指先、少し餅がくっついているのかもしれない。(m)「季語 草餅(春)」
ほつほつと木々の芽吹の声聞こゆ 堀田一枝
木々の喜びが聞こえてくる芽吹である。(m)「季語 木の芽(春)」
中空にとまらんとする落花かな 中村汀女
まいまい句会感想11
84 火の粉掃く箒も焦がし修二会かな くらっ太 4
この形の中七は終止形ではなく連体形が普通、
火の粉掃く箒の焦げる修二会かな
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87 菜の花に溺れをりぬ古地蔵 関とし江 0
「溺れてをりぬ」と字数を整える。
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95 朧夜や故人の好みし酒を酌む 政代 1
「故人」がどんな人なのか、そこが肝心。