37 丸餅を火鉢で焼いた昭和かな 幹子 1
「焦がす」がいい。
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38 春雨や溶ける氷に妻かえる たけじ 0
「妻かえる」があいまい。家出した妻か、単に用事で出かけた妻か?
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42 よく遊びしつかり学び卒業す 森本哲雄 1
校長先生の訓話のような一句。
37 丸餅を火鉢で焼いた昭和かな 幹子 1
「焦がす」がいい。
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38 春雨や溶ける氷に妻かえる たけじ 0
「妻かえる」があいまい。家出した妻か、単に用事で出かけた妻か?
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42 よく遊びしつかり学び卒業す 森本哲雄 1
校長先生の訓話のような一句。
34 春障子十指自在の影絵かな 文夫 5
簡潔に詠みたいところ。
小さき手で狐の影絵春障子
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35 母偲ぶ蕗味噌塗った焼にぎり 政代 1
「塗った」は不要。
蕗味噌のおにぎり母を偲びけり
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36 春浅きコンクリートのベンチかな オリザ 0
いかにも冷たそうなベンチ、ちょっと面白い。
27 茫洋の青空のなか春来る 弓楽 0
確かに「茫洋」とした一句、焦点がありません。
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28 潦しゃがむ指先うすごほり 田村 0
意味不明。
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29 水涸れて遺構現る坂本城 冬すみれ 0
理屈の俳句です。水かさが減ったがゆえに「遺構」が現れた。
24 粉茶汲みて饅頭ふたつおらが春 孝雄 1
一茶の「おらが春」は新春の俳句、この句は単純に「春」を詠んだものか?
茶を淹れて饅頭二つ春深し
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25 理科室の骸骨きしむ春の雷 新太郎 3
「きしむ」が中途半端。
理科室の骸骨歩く春の闇
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26 横揺れに花器ごと年の花ぞ落つ 冬菊 1
能登の地震を詠んだものでしょうが、すぐにわけのわからない俳句になります。月日が俳句を風化させるものはだめ。
14 助け合う絆が溶かす能登の雪 光枝 2
「助け合い運動」の標語のような俳句、常識を詠んでもつまらない。
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20 空海の見附し島ぞ冬の地震 凡士 0
21 春の宮長き神々御名のあり せつこ 0
「冬の地震」「春の宮」はやや強引な季語の設定。
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22 ふらここの占有時間は短くて ばふき 0
なぜ「短くて」なのか?俳句はそこが肝心。
7 ゆっくりと生きるも楽し菊根分 せつこ 5
「生きるも」→「生きるは」
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8 イヤリングゆらし待春の乙女たち 秀昭 1
すっきりと、
イヤリング揺らして乙女春を待つ
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12 蘆の角俄に水の騒がしく 春生 2
「蘆の角」が生えているようなところの水は穏やか、何で「騒がしく」なのか、そこが気になるところ。
もう二年もたってしまったロシアのウクライナ侵攻。そしてまた、はじまったガザ地区の争い。今や戦争は戦っている国だけでなく世界のあらゆる国に影響を及ぼす。武器の殺傷能力も剣をもって一対一で戦っていた時より何倍万も高くなっている。よく考えれば戦前も戦後もなく道はただ一本ではないのだろうか。(立)「無季」