まいまい句会感想②
寡黙なる父の机の猫じやらし 真紀子
寡黙が余計です。「二三本父の机の猫じゃらし」くらいでいいのでは。季語を生かすようにして句の焦点を絞る。それには無駄な言葉を省くこと。それでもつまらないと思うのだったら詠んだ句の内容がつまらないと言うこではないでしょうか。
頬紅をさして田を守る案山子かな 真紀子
季語の案山子の中に田を守るという意味が含まれているのではないでしょうか。つまり季語を生かすには「田を守る」はいらないと思います。
廃校の帰燕の空はただ青く 政己
気持ちの良い句なのですが、「ただ蒼く」が勿体ない気がします。「廃校の空青々と帰燕かな」
こほろぎも蚊もゐたりけり閻魔堂 文夫
このように言いたい気持ちはわかりますが、「こほろぎも蚊も」とすると焦点がぼけます。どちらか一方に。また、「ゐたりけり」も工夫の余地ありではないでしょうか。例えば「閻魔堂闇の奥よりちちろ虫」とか。「その隅に薮蚊ひそめる閻魔堂」
噴水の立ちて人なき真昼かな 森本哲雄
「立ちて人なき」の意味はわかりますが、少し言葉遣いが窮屈な感じがします。このままでしたら「噴水に人影もなき真昼かな」で良いと思います。
(律)