まいまい句会感想③
陽炎へる沖の島島波白し 雅宏
小魚の跳ねし波紋や春めきぬ 雅宏
二つとも出来てはいるのですが感じたままを句にしているので発見も感動も伝わってきません。ここから自分の世界をを作っていかないと俳句は上達しないと思います。
燈明の揺れて雛の白き顔 真紀子
辞書を引くと燈明は仏さまに上げる燈なので少し違和感がありました。「蝋燭の炎(ほ)にゆれ」で良いのではないでしょうか。
遠山も川も墓群も春の中 真紀子
俳句の形にはなっていますが、何か言っているようで何も言っていないように思います。
手鏡や初紅映えて雛の日 輝久
この句もごちゃごちゃしています。小さな子がお化粧をした様子を手鏡で映しているのだと思います。焦点を絞って句を作るように心がけて下さい。例えば「紅さして少しおすまし雛の客」など。
研ぎ水の温みて母に電話くる さら紗
「研ぎ水」でないといけないのでしょうか。「水温む」という季語がありますが、それでは文字が不足なので研ぎ水としたように思えます。
大寺の寄進瓦や冴返る 以と
縮めた言い方の寄進瓦がなんとも妙です。また冴返るの季語があっていないのではないでしょか。もう少し温かみのある季語が欲しいところです。参考までに、「ことごとく寄進の瓦花の寺 長谷川櫂」
(立)