まいまい句会感想2
朝涼のうちに配らむ広報紙 雅宏
何々だから何々をして季語と言うパターンは俳句に於いて避けるべきです。朝涼しいから広報誌を配ります。と言うのは一見俳句らしいのですが、読むほうは何の感慨もありません。
勲位記と並ぶ遺影や夏座敷 雅宏
形も整っていますが、句がまとまりすぎて小さい気がします。上五中七が家の中の事を言っていて夏座敷と置いたのでは面白みがありません。歳時記を当たってもっと適切な季語を見つけて下さい。「灯涼し」「盂蘭盆会」「茄子の馬」「花芙蓉」など片っ端から歳時記を引くのも勉強です。
奈良団扇座敷に風の涼しかり 政己
季語が団扇で風が涼しいと置いても俳句にはなりにくいとおもいます。 例えば「山からの風をもらひぬ奈良団扇」など。
走り出す熱砂を跳んで渚まで 政己
只事のようです。
石眩し形あらわに朱夏の川 政己
ここは普通に夏の川と言った方が良いと思います。「白々と石は乾きて夏の川」
遠はなび白紙の頁の古栞 輝久
白紙の頁が何か特別なことのようで気になります。
(立)