まいまい句会 感想
朧月シャッター降りる鯛焼き屋 昌人
鯛焼き屋さんは今ではいつでも営業していますが、俳句では冬の季語になります。また朧月は春の大きな季語です。「鯛焼き屋」を生かすのでしたら「朧月」を冬の季語に変えましょう。「冬の月シャッター降りる鯛焼き屋」冬の月の他にも、「木枯らし」「冬北斗」などいろいろありますので自分で歳時記を引いて何が一番ぴったりくるのか推敲して見てください。
「影射する秋茄子切られ皿の上」「点滅すカーソル見たり秋刀魚の目」この二句は意味が解りませんでした。
純白の猫や大きな秋の中 ひとみ
大きな秋の中が今ひとつ把握できません。例えば秋日とか秋日差しとか具体的に言ったほうが良いと思います。
照らしゆく海人の足元寒露かな 春生
何が海人の足元を照らしているのか不明です。
秋草や無人の棚の硬貨入れ くに
野菜などを売る無人販売所でしょうか。田舎などではよく目にしますが、都市では見かけることはありません。もしそうであるなら、野菜の無人販売所としないと多くの人には解ってもらえません。野菜と秋草がうるさいので季語もかえたほうが良いと思います。
占ひの列の途切れて夜食かな ヤチ代
夜食をとっているのは誰なのでしょう。この句から想像するのは難しいようです。
芋虫の蔓の終端で回り居り ばぶき
芋虫が何かの蔓の先でくるくると丸まっている様子でしょうか。そうであれば、「芋虫の」と置かずに「芋虫が」としないと解りません。
ひとりでに楽しくなりぬら・ふらんす いつせ
雰囲気はあるのですが、ちょっとわかり難い句です。(立)