大震災を詠むより
今日で大震災から丸四年、当時、季語と歳時記の会の「震災を詠むに」寄せられた作品の一部です。
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みちのくの春をさらひし津波かな 岩井善子
つばくらめ巣架ける軒もなかりけり 飛岡光枝
冴え返る東京駅に一夜かな 房子
震災の瓦礫に降るや春の雪 ゆうこ
手のひらにこの豚汁を届けたし 藤原智子
みちのくの瓦礫の山を鳥帰る 北側松太
さむいかなぼくのコートをあげようか 古山せい一(四歳)
春寒やこの毛布もて棺とは 齋藤嘉子
あたらしき命余震の春灯に 無記名
停電の街に大きな春の月 逸見貴
自衛官毛布に幼児抱き戻る 清水治彦
みちのくの山河慟哭初桜 長谷川櫂